新しいコンセプトの音楽配信サイト 『 mF247 』 始動 ～ DRM を考える

※ 長文になってしまいました． 好き勝手なこと書いてますが，最後までお付き合いいただけるとありがたいです．

自分は過去に音楽配信サービスと DRM ( Digital Rights Management ＝ デジタル著作権管理 ) との関係について勘違いをしていました．

初めて recommuni の存在を知った時，DRM フリーの音楽配信という考えは，いまいちユーザーにとって使い勝手が良いとは言えない既存の日本の音楽配信サービスに，何か一石を投じてくれるのではと，勝手な期待 をしていました．

『 DRM なんていう面倒なものは無い方がいいに決まってる！ 』 そう思ってました．

しかし，DRM フリーの音楽配信システムをメジャーレーベルが後押しするわけは無く，音源の数という面ではいまいちパッとしないのが，現在の recommuni の実情です．

折角良いシステムがあったとしても，肝心のコンテンツが揃わなければ，絵に描いた餅に過ぎません．

じゃあ，この recommuni の試みは失敗だったのでしょうか？

その時初めてわかったのは，recommuni というのは，“既存のメジャーの楽曲を DRM フリー，低価格で販売する為のシステム” ではなく，“煩雑な権利・課金処理をきちんと行いつつ，コストをかけずにインディーズの楽曲を幅広く世の中の人に聴いてもらうためのシステム” だということです．

iTMS，Mora，MSN Music．．．様々な音楽配信サービスがありますが，全てを一緒くたにしちゃいけないんだなと思ったのでした．

田舎に行くと，道路沿いの無人のホッタテ小屋で農家が野菜を直販していたりしますが ( 客の良心に任せて，お金の回収ボックスだけが置いてある )，ああいう無人販売を，街なかでやったらどうなるでしょう？

恐らく，都内で無人店舗での販売をやろうとするなら，万引き防止のタグを付けるとか，監視カメラを付けるとか，何らかのセキュリティ対策を施さないと商売にならないでしょう．

それと同じように，DRM にも，インディーズ，メジャー それぞれに相応しい方法が必要であるように思います．

小規模なインディーズ中心のサイトに完璧な DRM を導入するにはコストがかかって採算が合わないだろうし，メジャーな楽曲を DRM フリーで販売したら，違法コピーが蔓延して商売にならないのは当然です．

ちなみに，メジャーな音楽配信サイトが採用している既存の DRM システムというのは，まだまだ使い勝手の良いものとは言えないですが，それは，レコード会社ばかりが悪いのではなく，技術そのものがまだ，発展途上の段階にあるからだと感じています．

ここ1年ぐらい，個人的に DRM には興味を持っていて，技術セミナーや技術展示会などで情報収集していますが，Marlin や Coral といった活動の成果が市場の機器に実装されてくれば，著作権保護への配慮もされつつ，ユーザーにとっても使い勝手の良い世界になってくると思われます． ただ，実現されるのは，もうちょっと先になるかもしれません．．．

で，思いっきり前置きが長くなってしまいましたが，既存の音楽配信サービスとは違ったコンセプトを持つ音楽配信サイト 『 mF247 』 が，12月から開始するようです．

この 『 mF247 』 という試みは，DRM フリーであるからこそ有効な，考えられたサービスモデルになっていて，“アーティストにとっては自分の楽曲をより多くの人に知ってもらえる場” であり，“ユーザーにとっては良い音とめぐり合うことのできる場” という，音楽を愛するものにとって至極当たり前に求める環境を第一に考えているところに好感が持てます．

サービスの詳細はこの記事の頭にあるリンクから参照できますが，オフィシャルサイト内の 「 mF247 を始めるにあたって 」 というところは，是非ともみんなに読んでもらいたいです．

『 mF247 』 を主宰する丸山氏の活動には前から非常に興味を持っていて，とあるところで何度かお目にかかったこともあるのですが ( もちろん，雲の上の存在で，まわりから見たことがあるだけですが )，いつかは，お話をしてみたいものです．

丸山氏の活動を見ていると，「 自分も何かやらなきゃいけない！ 」 とこっちまで元気が出てきます．

これからの展開が楽しみです．

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